2010年10月17日

「美女とダイヤモンド」

ハロウハウス.jpg



初めまして、丁稚です。

 古今東西の本の話などを書いていきたいと思います。以後、お見知りおきを。

 さっそくですが、読書の黄金時代は十二歳、などといわれております。丁稚も、昔から七面倒くさい本は嫌いで、エンタテインメントが大好きでしたから、十二歳のころも、翻訳が出はじめたばかりの火星シリーズ(エドガー・ライス・バローズ作)などを読んでおりました。振り返ると、子供なりにわずらわしい日常を離れて、主人公と一緒に冒険をするのが、楽しくって仕方がない、という感じでありました。まさに今や還らぬ黄金時代です。
 そういう体験があるかたなら賛成していただけると思いますが、主人公になりきって楽しむのが、やはり小説の王道ではないでしょうか。ところが、今の海外エンタテインメントのことを考えてみますと、主人公になりきるのは、けっこう辛かったりします。なんというか、すかっとしないのですね。決して現代の海外エンタテインメントを貶めるつもりはありませんが、主人公に同化したら最後、幼児虐待やら、家族崩壊やらを目撃させられたり、どう見ても変態としか思えない人物の犯罪に付き合わされたりすることになるからです。これもご時世ですから、仕方がないといえば仕方がないのですが、ただ主人公になりきって気分よく何時間か気持ちよく過ごしたいだけなのに、と思う向きには、いささか気が重い読書になりがちです。
 そんなときには、手前味噌ではありますが、もはや古本屋でしか手に入らない、六〇年代、七〇年代の海外エンタテインメントをおすすめいたします。
 たとえば、一九七二年に原本が出て、七四年に翻訳されたジェラルド・A・ブラウンの『ハロウハウス11番地』という洒落た小説があるのをご存じでしょうか。文庫版は八〇年に出ましたが、これなどは大のおとなが主人公に同化して楽しめる小説だと思いますが、いかがでしょう。
 主人公はしがないダイヤモンド商で、ある黒幕の依頼を受け、国際的なダイヤモンド売買組織の地下金庫から、百二十億ドル相当の宝石を盗み出そうとする−−とまあそんな話で、主人公の相棒は、いうまでもなく、グラマラスなとびきりの美女なのです。題名のハロウハウス11番地はその金庫のある場所で、宝石の話ですからロンドンの上流社会の描写にも抜かりはありません。
 翻訳は一世を風靡した菊池光さんで、実を申せば、今となってはいささか古くさい部分もあるのですが、丁稚はそういうところも古本を読む醍醐味ではないかと思っています。「彼は、電気仕掛のゲーム機械が無数に並んでいるペニイ賭博アーケードに入って行った」などという箇所に出くわすと、菊池はん、それゲーセンとちゃいまっか、などと突っ込みを入れながら楽しむのもオツなものです。
 なお、写真は文庫版の表紙で、田舎くさいのか洒落ているのかわからないところが、いかにも古書的な、ひなびた味わいを醸し出しています。

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posted by 丁稚 五十代のおやじ at 21:42| Comment(13) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月14日

しばしお待ちを

泣きながらただいま原稿を書いているところです。

原稿料タダのわりには鬼のような店主の原稿催促は怖いよー。

今しばらくお待ちください。

posted by 丁稚 五十代のおやじ at 21:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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